レシピ&コラム  66~70

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66.スンダル


南インドでは、スパイスとココナッツで炒めた野菜料理が多く、
スンダルはホットサラダのような、シンプルでやさしい味わい。
ひよこ豆のほくほくした食感も、この料理のおいしさのひとつです。

南インドは菜食主義者が多い地域。
日々の食卓に欠かせない豆は、滋味深く、からだにもやさしい食材です。

ショウガや青唐辛子(またはしし唐)を刻んで加えると、
味わいがきりっと締まります。
作り方はマスタードシードとカレーリーフの香りを油に移し、

ひよこ豆をさっと炒めてターメリックと塩で整えます。
ココナッツを加え、仕上げにレモンを軽くひとしぼり。


67.「レモンライス」の盛り付けのこと


レモンライスに添える唐辛子は、できるだけ形のよいものを選んでいます。
できるだけすっと伸びた一本を、軽く斜めに刺します。

南インドで親しまれるこのフレーバーライス、
当店では色が強くなりすぎないよう、やわらかなレモンイエローに仕上げています。
唐辛子はもともと中南米原産で、大航海時代にインドにもたらされました。
それ以前のインドでの辛味は、黒胡椒やヒハツによる、じんわりとした複雑な辛味。
シャープな辛さはなかったといわれています。

レモンライスを作る時、スターターで唐辛子を油でさっと熱し、香りを移し、
さらにマスタードシードの辛味も重ね、カレーリーフや香味野菜で奥行きを出しています

レモンで爽やかな酸味、軽やかなごはんの中に、唐辛子がきりっと一本。
その小さな存在が、全体の印象を引き締めてくれますね。


68.カルダモン香るミルク寒天

インドの多くの人が信仰するヒンドゥー教では、
牛は神聖な存在とされ、大切にされています。
牛乳や乳製品は、貴重なたんぱく源として日々の食卓に欠かせない存在です。

カルダモンをほんのり効かせたミルク寒天は、
どこか昭和の頃の懐かしいおやつを思い出すような、やさしい味わいです。
ゼラチンで作ってももちろんおいしいのですが、
肉を控える食文化を背景に、寒天を使ったお菓子も親しまれています。

鍋に粉寒天と水、カルダモンを入れて火にかけ、しっかり煮溶かします。
砂糖を加えたら、牛乳をゆっくり合わせ、型へ。
冷やし固めればできあがりです。

サフランやお好みのナッツを散らしたり、
フルーツを入れて固めてもおいしく楽しめます。
牛乳を多めにするとやわらかく仕上がるので、
カップデザートにもおすすめです。


69プディナ(ミント)風味のスナック


インドではポピュラーなミント風味のスナック。
日本ではあまり見かけませんが、それならば、とじゃがいもを揚げて自作してみました。
“プディナ”とはヒンディー語でミントのこと。
爽やかな香りに、ピリッとしたスパイスの風味を合わせた味付けは、
暑い季節にも食べやすく、あとを引くおいしさです。

ミントは、身体にこもった熱をやわらげるハーブとして、
暑い季節にも清涼感のある香りはぴったりですね。
インドでは、ポテトチップスに限らず、ローストした豆や、
蓮の実(マカーナ)など、さまざまな素材で楽しまれています。

今回のミントマサラは、ドライミントにブラックペッパー、
チャートマサラなどをお好みで合わせ、ミルで細かくしました。
見た目は少し、のり塩ポテトチップスのようです。
揚げたてのじゃがいもにまぶせば、爽やかな香りとスパイスの風味で、ついビールがすすみます。

ゆでたじゃがいもを炒めて、同じミントマサラをまぶしてもおいしそう。
シンプルな素材でも、少しスパイスを変えるだけで、
ぐっとインドらしい味わいになりますね


70.チキンラサム

当店のラッサム(ラサム)は、少しディープなスタイルです。
濃厚で他にはない味わいと言っていただくことが多く、

「これはカレーなの? それともスープ?」と聞かれることもあります。
答えは、両方。

南インドの「ラサム」は、胡椒水とも呼ばれる、酸味と辛味が特徴のスープです。
温かいご飯にかけても、そのまま飲んでも、
一口口に入れれば食欲がわき、からだにすっと染み込みます。

昔から「風邪をひいたらラサム」とよく聞きます。
黒胡椒に含まれる成分には、抗菌や抗酸化などの作用があるとされ、
消化を助け、夏バテや風邪のひき始めにも親しまれてきました。

本来はベジタリアン料理ですが、ノンベジのラサムもあり、
チキンの旨味が加わることで、より奥行きのある味わいになります。 

作り方は、黒胡椒やクミン、にんにくをミルで挽き、
鍋に水やトマトと共に煮ます。
ターメリックと塩で味を整え、鶏肉を加えて火を通し、
仕上げにレモンの酸味を加えて、

最後に、フライパンで熱した油にスパイスを入れ、
香りを十分に引き出してから鍋へ。
ジュッという音とともに広がる香りは、
ラサムのいちばんのごちそうかもしれません。

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